結論から申し上げます。
ほとんどの人は必要性がないです。
私も実は30歳の頃に知り合いからの紹介で、とある外資系の保険会社のドル建て保険を始めました。
最初はその保険会社の営業の方に「貯蓄性もあり、何かあったときに大きなお金が入ります」「ドル建ては円建ての保険よりは利率が良いですよ」などと言われ、知識もなかったので無駄もないからいいかと思い入っていました。
年間に換算すると100万円もの大金を入れていました。
しかし、最近ようやくその保険に疑問を持ち(固定費としてかなり圧迫していたのもありますが)、ほとんどを解約、払済にしました。
今回はドル建て保険を解説していこうと思います。
ドル建て保険とは
ドル建て保険は基本的には保険料の支払い、保険金・年金・解約返戻金の受取をすべてドルで行うのが特徴です。
ドル建て保険を含めた外貨建て保険は保険料を支払う時や保険金を受け取る時の為替相場によって、金額が変動します。
例えば保険料を毎月100ドルを積み立てていくとした場合
1ドル=100円の月は10,000円の支払いになりますが、これが1ドル=110円の円安になった月は11,000円の支払い、1ドル90円の円高になった月は9,000円の支払いになるわけです。
日本の円建ての預金金利が金融政策の影響で超低金利になってしまったので、ドルで運用したほうが金利が高く付き、保険商品ですが貯蓄性も高いことからかなり注目されました。
ドル建て保険の種類
ドル建て保険の種類としては、終身保険、個人年金保険、養老保険などがあります。
終身保険
終身保険とは保障が一生涯続き、被保険者が死亡または高度障害状態になった時に保険金が支払われるという保険です。
死亡・高度障害保険金、解約返戻金などを受け取る際に、一時金で受け取ったり、年金形式で受け取る保険商品もあります。
自身の葬儀費用や遺族の生活費の確保、一定の財産を特定の人に確実に渡す等の目的で加入する事が多い保険です。
個人年金保険
個人年金保険とは私的年金で老後の生活資金に備えるためという目的の保険になります。
契約時に定めた保険料払込満了時まで保険料を払込み、受取開始時期になったら、一定期間または終身にわたって年金を受取ることができます。
また、保険料払込期間中に万一のことがあった場合は、払込保険料相当額を受け取れます。
養老保険
養老保険とは死亡保障と貯蓄を両立した保険になります。
保険期間に満期があり、保険期間中に被保険者が死亡または高度障害になった場合に保険金が受け取れます。
何事もなく保険期間が満期を迎えた場合は死亡保険金と同額の保険金を受け取ることができます。
ドル建て保険のメリット・デメリット
メリット
- 為替差益を得られる可能性
- 保険料が割安+利率が高い
- インフレ対策になる
デメリット
- 為替相場によっては元本割れを起こす可能性
- 為替手数料がかかる
- 支払保険料が変動する可能性
メリット
1.為替差益を得られる可能性
満期保険金や解約返戻金を受け取るときに、払い込んでいた期間よりも円安になっていれば受け取れる円が多くなるのでプラスになります。
2.保険料が割安+利率が高い
アメリカの国債の利率は日本よりも高く、運用されるドル建て保険は大きな運用収益を見込めることから、保険料は安く設定されます。
3.インフレ対策になる
今後さらに日本のインフレが進み、円の価値が下がる場合があり、外貨を持っておくことが対策となってきます。
デメリット
1.為替相場によっては元本割れを起こす可能性
円をドルに変えて保険料を払うので、払った時の為替相場より満期保険金や解約返戻金をもらう時のほうが円高になっていると元本割れになります。
2.為替手数料がかかる
円をドル、ドルを円に変える時に必ず為替手数料がかかるので、保険料を払う時や保険金を受け取るときに余計なコストがかかります。
3.支払保険料が変動する可能性
保険料支払いの際の為替相場次第で毎月払いの場合はその都度日本円で払う金額が変動してしまうので、円安になった場合は家計への負担になってきます。
結論
ここまで書いたところ、何だメリット大きいじゃんと思われるかもしれませんが、為替は誰にも読めないのでマイナスになる可能性高く、利率が良いといっても手数料などをかなり取られているので損する部分が大きいです。
円安の対策をするために外貨を持つならば、保険料の代わりにS&P500などのインデックスファンドに新NISAを活用して毎月積み立てを行うほうがメリットが大きいと思います。
なのでドル建て保険はメリットが小さく、デメリットが大きくなってしまう可能性が高いのと、保険料に充てる資金を新NISAで活用したほうが効率は良いということで、ドル建て保険は必要ないと結論付けます。
何かあった時の保証はどうするのと聞かれたら、必要最低限の保証は掛け捨ての生命保険で十分と言います。
掛け捨て生命保険に関してはまたどこかで書こうと思います。
それではみんなで価値ある40代を過ごしていきましょう!
コメント